カヤック遠征日記 26日目

辺りはまだ暗いけれど今日の僕はしっかり目を開け素早く起き、行動に移る。今日の旅に向けて体調もばっちりだ。辺りを見回して、自分がいる場所を改めて確認。ああ、そういえばここは本橋さんのカヤックベース。そして今日はカヤックはお休みの日だった。もう一度数分前まで堪能していた心地よい眠りに戻ろうとする。僕は横になり、目を閉じるが結局眠れないまま1時間くらいが過ぎる。もう一度時計をのぞきこむと、午前6時半。よし、今日1日のスタートだ。

鮮やかな花柄の小さなノートを開いて、昨日の夜に書いておいたTo do リストをチェックする。いくつかのアイテムに目を通す:バッテリーの確認、マップの印刷、食料補給、東京までかかる時間を計算。最後のは特に重要だ。なぜかというと、この旅の今の段階では予定していた日にカヤックで東京にたどり着くことは無理なので、別の計画を立てる必要がある。けれど実は、東京に行く方法いついては昨夜本橋さんとヒッチハイクについての話をし、計画がまとまっている。そのときの会話を思い返しながら、使い古した地図の裏に書いたメッセージの日本語の文字に目を通す。それには「僕はプレゼンテーションをするために東京に行かなくてはなりません。カヤックの旅を続けるつもりなので数日後に戻ります。だからこのカヤックをとらないでください。」というような文が書かれていて、僕の連絡先とサインを書いておいた。ヒッチハイクで東京に行く際にカヤックと一緒にこの紙をおいていくつもりだ。さて、リストの残りをかたづけないと。あとやらなきゃいけないことは、食料補給と地図の印刷だ。

黄色のドライバッグをしっかりと握りしめて、メインの道路を歩く。この街は結構大きいように見えるが実は小さい。ほんの数分歩くと大きく”K”という文字が見える、数分でコンビニエンスストアに行けそうだ。コンビニに入ると、まっすぐにコピー機へ向かった。大きな海上保安マップをかばんから取り出し、志摩町布施田(三重県)の細い通り道がのっている部分に合わせコピーする。このルートは僕が思うところ半島の外をまわって行く最初計画していたルートよりも、近道(迷わなければ)で景色もいい。この小さな街をもっと散策したいと思い、コピーが終わると、店を出る前に、スニッカーズをつかんで、レジに急いだ。小銭入れに手を入れたとき、自分がしている軍手に目をやるとなんだか恥ずかしい気持ちになった。最初は真っ白だった軍手もこの旅で何度も火をおこしたりしたので、灰で真っ黒になっていた。そのとき小銭をいくらかカウンターに落としてしまった。僕はすかさず自分の真っ黒になった軍手をはずし、安全な僕のポケットにしまった。

その後、いろいろろ散策しながら明るい色で塗られた家に見とれたり、つややかにコーティングされたアメリカンクラシック車に反射して自分が映っている様子を見たり。すると本橋さんからメッセージが送られてきた。内容は夕食を一緒に食べようといういことと、僕がおでんを好きかどうか。また、彼はカヤッカーで地元のガイドをしている柴田さんという人を夕食に招待したということだった。夜7時ごろになると、本橋さんが奥さんを連れてやって来た。続いてすぐあとに柴田さんもやって来た。湯気が立ちこめる、小さなボウルに入ったおでんを囲みながら僕たちは座布団に座り、それぞれのカヤックの話で盛り上がる。僕は環境についてかなり熱くなってしまったけど。数時間がたち、夜も更けてきた。本橋さんと彼の奥さんとは前回の瀬戸内カヤック隊の遠征のときに初めて会い、一言二言会話を交わした程度だったが、今回彼らの友人と一緒においしい日本の料理とお茶を僕のためにふるまってくださり、楽しい時間を過ごし、今ではすっかり二人と溶け込んでいることに気づいた。

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